Technique-600THz

前夜すべて

メモ クリミナル・マインド

3周しても超おもろすぎるからメモすることにした。まじのメモなのでとっ散らかってる(順次追加する)。自分用。人が見るもんじゃない。

時代錯誤なところあれどシーズン1は特に面白すぎる。

ディズニープラスでしか今配信やってないから、観てないひとはレンタルして観てくれ〜〜それか一緒に配信みよう。

 

8/13

 「〜曰く」から始まる名言がエピソードの始めと終わりに必ず挿入される。それを朗読しているのはギデオンが多いけれど、途中から他の登場人物も朗読するようになる。その話の中心人物である場合が多い。

 初期のS1 Ep1、2らへんは劇中でもギデオンが「〜曰く」というセリフを使っている。とくにS1 Ep1のギデオンとモーガンのやりとり、「やってみるかどうかではない〜」のやつ。歩く辞書ことリードがその間に入って、二人のセリフをそれぞれベケット(ギデオン)とスターウォーズのヨダ(モーガン )由来のものだと通訳するのだけど、これはキャラクタと物語の象徴を兼ね備えたシーンだと言えるかもしれない。リードは大衆映画とか見ないタイプ(スタートレックとかは別)の知識人として描写されることもあれば、こういうインテリからポピュラーまで全部なんでも知ってるタイプとして描写されることもある。脚本家の間での認識のブレかも。

 テンポのよいかけあい、とくにエリート捜査官であるBAUの面々の捜査中の発言は、あらゆる学問的な知識をたたみかけるようにしてなされる(この感じはスノッブぽさがあって、それゆえに癪に障る人も多分いる)。それまでの刑事ドラマなどと違って、地道な捜査もしくは派手なアクションではなく、学問的な(フィクション内事実であることも往々にしてあるが)知識、経験的な法則を元に犯人を推測していくこのドラマの性格を開陳してみせるためには、こういう演出が必要なのかもしれない。実際、S2あたりからはあまり面白くなくなるのだけど、それはこういう知識のひけらかしの頻度が少なくなったからかもしれない。視聴者の慣れゆえとも考えられるが、S1 Ep1付近は何回観ても面白くワクワクするわけで、特段丁寧にこのあたりを考えて作品が構築・演出されているんだと思う。(どのドラマにも言えるが、初回のいかにも奇妙でわくわくする謎めいた感じ、がオカルトっぽささえ感じてすごく好きなのだけど、このあたりを考えたいところではある)

 さらにいうなら、S1 Ep16では先住民のトラッキングの達人が部族に伝わる言葉を引用しまくって喋り、それに対しホッチナーは「君はいちいちフォーチュンクッキーみたいな奴だな」と言うシーンがある。これはなんというか、お前が言うかって感じで逆におもろい。メタ的には常に君たちの物語は引用で溢れているというのにそれを棚にあげるのか。これをエスノ的なセリフともとれるかもしれないし、もしくは、劇中で引用をするのはギデオンもしくはリードだから、ホッチナーにとっては引用は身近なことではない、ともとれる。ホッチナーは引用するタイプの人物じゃないと明確に位置付けられているのか。しかし、彼はギデオンとしょっちゅう一緒にいるはずで、フォーチュンクッキータイプの人物には慣れているだろうに、、とも思う。

 いま考えたのは、先住民の達人の引用は教訓的なもので、ギデオンの引用は事実関係に基づくものだからかもしれない。論理的にもっともな引用は占い的な要素はない。そうするとよりエスノ的な風味が漂って(先住民は非科学的な思考をしているというような)時代的なものを感じますね。

 ここまで考えると、心理学が科学なのか論争(実際には実験と統計学を用いた科学なんだけど、胡散臭いと世間では言われているらしい)と、このドラマが担う役割と重荷について考察したいところがある。疑似科学と心理学の違いとは? 行動心理学に基づく捜査って有効なの? ドラマの脚色による学問の信頼性の損いは? というようなこと(似たような例で、Numbersというドラマがある。天才数学者によって事件が解決されるのだが、そこに出てくる数式や理論は専門家の監修済みで全て本物であるというのが特徴だったりする)。

 あと、引用をよくするのがギデオンとリードというのは、彼らが教授と学生(さきほどの達人が一行をプロファイルした際のセリフ)の性質を帯びていることとの一貫性がある。ギデオンはリードのことを常にドクターと紹介するし、リードはそれに恩と誇りを抱いている。し、S7 Ep1の尋問で圧をかけられたとき、リードが自分はドクターであるからその手には乗りませんよ、(Calm down, Agent.に対するThis is calm, and it's "Doctor.")と言うシーンには、それらの伏線を回収するような力点を感じた。なーんか他の回にも力点を異常に感じるシーンがリードに多くて、制作陣に愛されているキャラクタだと思う。リードを演じるマシュー(吹き替えの森久保さんもかなり貢献している)もその力をぎゅっと顕現させるような演技をしていて、なんかほんと、めちゃくちゃいい。