Technique-600THz

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26年を10日で 3/20

3/20 2001『VERY HAPPY!!!』

 

2000年夏コンの映像化作品。実質5周年であり、収録曲数がありえんことになっている。その数なんと35曲。DVDにはその年に行われたカミセントニセンライブもそれぞれ入っていて、なにがなんでもつめすぎだろと思う。太っ腹だ。

あと、明らかにこの年でV6のなにか大事なものが固まったのではないかと感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<感想>

もう後年にかなり近い雰囲気と質に仕上がっていて、5年でこれかよ…と驚き通り越して開いた口が塞がらなかった。すごすぎる。

 

最初の羽を背負ってワイヤー釣りで降りてくるところ、かなりV6の歴史において象徴的な部分だ。なぜなら25周年ライブに採用された形式だから。このコンサートが後年の彼らになんらかの影響を与えたのは間違いない。

 

TMHからBe Yourself!のつなぎ、ソロダンス回しのパートが長めにとられていて、全員仕上がっていてかっこよすぎる。その後のダンスがマイケルジャクソンパロ(無音のなか効果音に合わせるやつ)。

クロバットパートでは伝説の井ノ原さんのアクロバットが見られる。最高か。その上、長野さんの通称「ドッタンバッタン」が見られる。あと、長野さんの土台職人(V6において2on2on2のペアになるときトニセンがアクロの土台になるが、長野くんが最も安定してうまく人を飛ばすことができる)が発揮されていて、岡田さんが着地するまで見守りつつ最後にゲッダンするところがね、よいです。メンバーが19~29歳なので、心身ともに一番充実してる時期なのではなかろうか。活力だ。

Be Yourself!で気づいたのが、フォーメーション移動がかなり多くて6人でのダンスの構成が複雑になっている。V6、フォーメーション替えが異常に多くて複雑で有名なのだが、ここら辺からその傾向がみられるぽい。

 

今回の謎演出は剛くんが悪役になって子供をさらうというもの。剛くんvs5人、いくらなんでも多勢に無勢すぎる。この登場、まじで急だししかも曲が「推察の最中で」なのが最高、ウィスパーボイスで歌いながらの剛くんの圧倒的なヴィラン役が耽美だな〜。あとキャラメルボイスなのに強く発声するところがあって、それが最高でした、たぶん歌の自由が効くようになってきたんだと思う。

あとまた子供が檻の中に閉じ込められている。この傾向、たぶんなにかの趣向が働いてるんだとおもう、よくない面も見えてきますね、今は触れないけど。v5が子供そっちのけで踊ったり歌ったりしているのがおもしろトンチキポイント。

ヒーロー役の井ノ原さんの小芝居、通常運転すぎる。もうこのコンサートの段階ではお調子者ポジションが固まり切ったみたいだ。あとどっから持ってきたんだその仮面。仮面脱いだ瞬間、センター分けの井ノ原さんお顔がよいね〜となる。抗争パートで鉄パイプを容赦なく振り回す井ノ原さん最高、尖りがでている。

 

「まだまだ」、坂本長野の通称現存する最古のシンメがデュオで踊り歌っており、死ぬかと思った。曲調が青春アミーゴに似ていて(もしやこれが参照元か?)、それも手伝ってか唯一無二の相棒感がすさまじく、本当に卒倒するかと思った。よすぎる。作曲が林田健司で、前回トニセンが最高すぎたCoolと同じひとやな〜となった。相性がいい。坂本さんの艶のある声と長野さんの好青年みたいな声の相性。とくに「どれほど安らげたと思う」のとこの張り上げるところで二つの声の違いが見えてよい。

 

Running to the topの落ちサビ、トニセンになるし坂本さんは合いの手なのが最高だ、、。てか推察の最中で→まだまだ→SPEEDER'S HIGH→Rtttの流れすごすぎる。全曲かっこいい。

全体的にみんな顔つきが強めというか、挑戦的で全力な感じ。後年の射殺す目線ともまた違う。必死?そう、なんか必死な感じだ、音楽とか踊りをやるときのそれを観客に伝えたい意思みたいな。独りよがりの表現でもなければ舐めも一切なくて、本当に精神の強さと生きてるという主張みたいなものが全面に出ている。やっぱド真面目な人たちだ。。

 

MIRRORのハモリ、今までにない厚みを感じた。前回コンサートはトニセンのハモリの相性がよいな〜だったのが、6人でもハモリが安定するようになっている。なんだか一味ちがうぞ。そういえば今回からイヤモニが導入されている。

 

Travelerで6人でオープンカーに乗る演出があるのだが、家族的なニュアンスの寄り添いを感じた。すごく自然にぎゅっとなっていて、見えないなにかが彼らの間にある、V6特有のあれがコンサートで初めてでてきた感じだ。やっぱり今回は一味違うぞ。

あとバイクに乗ったりゴーカートに乗ったりキックボードに乗ったり、なぜか今回は乗り物演出が多い。みんな楽しそうだな〜。

 

長野さんずっと2階席に向かって「おちるなよー」ていってるし、坂本さんは「しあわせ!」「しあわせ?」とか言いながら笑顔でファンサしててほほえまし〜となった。パフォーマンスが完成されてきたのと同時に、全体的にファンに対してかなり積極的に開いていってる感じがある。「みんな」という言葉をMCとか挨拶で前よりたくさん使うようになったし、後半の7曲くらいはメドレーでお手振りパートになっていて(後年まで続く形式)、交流という側面に目が向いてきてるみたいだ。前はわりと自分たちのパフォーマンスに一生懸命という感じだったけど、余裕が出て視野が広くなったのかもしれない。すごいな、、。

 

羽根〜BEGINNING〜という渋い名曲があるのだが、それが自分にとって特別な曲だ。ずるいな〜という和声進行とか転調とかもさることながら、歌詞がよすぎる。正直この曲が披露された場面で泣かない方が難しい。あと彼らの歌う様子が、この歌のときだけすごく生身なのもある。歌っているときにおそらく彼らの感情が入りまくってしまってるんじゃなかろうか。この曲がおそろしくさえある。V6の曲には珍しく振りが一切ないバラードだからというのもあるかもしれないけど(ちなみにバラードでも彼らは踊るのが大半)、本当に曲と自分に集中しちゃってるのが目に見えてしまって、耐えられなくなる。例えるなら卒業式の合唱というべきか、なにしろ彼らには珍しいくらいの生身の晒し方で、パフォーマンスの域を明らかに逸脱してしまっている。今回の羽根もそうだった。

 

後年につながる要素がもうほとんど出来上がってきてたのが本当に驚きだなと。なにが彼らをそうさせたのか、自然とそうなったのか、、、。ここまでくるとあとは洗練のみな気がしてくるけど、これを遥かに超えるコンサートがこのあと山ほどあるのがわかっているので恐ろしい。

成長というか覚悟というか切実さを感じる回でした。DVD買おうかな〜。